世の中の健康情報、特に食べ物については、昨日、良いとされていたものが、今日はダメな食品になったり、その逆だったりで、誰しも、どうすればいいの?状態。
そうした中、最近、何年も探し求めてきた決定本「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」(津川友介 2018年 東洋経済新報社)を、ついに見つけました。統計学を武器に本書を著したのは米国カルフォルニア大学ロサンジェルス校の医療政策・経済の研究者である津川友介さん。
こちらが津川さんのブログ
「長生きするためには、科学的根拠にもとづいた正しい食事をとることが最も確実である。」「数多くの信頼できる研究によって本当に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と現在考えられている食事は ①魚、鶏肉 ②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)③茶色い炭水化物(*) ④オリーブオイル ⑤ナッツ類の5つである。逆に健康に悪いと考えられているのは ①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハム、ソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)②白い炭水化物(*) ③バターなどの飽和脂肪酸の3つである。」と、極めて明快。要するに、繰り返し証明されてきた「悪い食品」を、これまた、繰り返し証明されてきた「良い食品」で置き換える食事法が最強の食事法であるとの主張です。
この本の食事に関する情報は多数の研究を統合するメタアナリシスという統計手法での結論なので、1つや2つの新しい研究が出てきても5年、10年は変わりそうにない結論です。この本に書かれている根拠となっている英語論文を一つ一つ読むのは大変な労力が必要。津川先生ありがとう。なお、根拠となった論文も示されているので原典に当たれるのもうれしい。
この本を読んだ方から、よく質問されるのは、「なぜ牛肉・豚肉・ハム・ソーセージ・ベーコンが身体に悪いの?」です。これに答えた記事が「毎日お肉」が身体に悪い本当の理由とは?です。ぜひ読んで下さい。「へーそーだったんだ。」思われるはずです。
(*)茶色い炭水化物:玄米、そば、全粒粉パンなど生成されていない炭水化物のこと。「炭水化物=糖質+食物繊維」で茶色い炭水化物は食物繊維が多く、
(*)白い炭水化物は、食物繊維の量が少ない、白米、うどん、パスタ、小麦粉パン。何とジャガイモも含まれます。